新ノート指導の技術
有田 和正
この本は、良かった。以下は、内容を私なりにまとめたものである。
- 先入観
- 子どもは「書くことをいやがる」という先入観を教師は持っている。この先入観を破らなければならない。子どもは「書くことが本来は好きなのだ」ということがわかれば、状況は変わってくる。
- 書くことを楽しませるには
- きたなく速く書かせる
- 短く書かせる
- 教師は、どうしてもまとまったものを、きちんと書かせようとする
- はじめは、単語でよい。ひとこと書かせる。
- どんな使い方をしてもよい
- 文章でもマンガでもいいし、サインペンや色鉛筆を使ってもよい
- 自分の考えを書かせる
- 問題の成立
- 以下のような傾向が現れるときは、その子どもに問題が成立している
- なんとなくある事柄にこだわっている
- ある事柄になると目の色が変わる
- 問題の掘り起こしは大変で、質の良い問題の掘り起こしができれば、授業は成功したも同然。
- 考えていることを書かせる
- 1時間の3分の1くらい書く時間があってよい
- 「この考えについて、○か×か、書きなさい」
- ○か×を書けば、○の理由、×の理由があるはず。それをノートに書かせる。
- 話し合いや討論の途中でもストップさせて、一度ノートに考えをまとめさせてから再び話し合いをする
- 「あれこれ書いているうちに、考えが出てきたり、まとまってくることを体験させる」。これが、大切である
- このことに気づくまで、わたしは「きれいさ」や「ていねいさ」など、見ばえをかなり気にしてきた。ノートの汚い子どもには、きびしく注意してきた。これで、ますますノートすること、書くことを嫌いにしてきた。
- 教師が「このことについて、考えたことをノートに書きなさい」と指示している間は、まだ本物ではない。
- 作文の評価を書かせる
- 「新しい問題」が出てきたときなど、一度ノートに自分の考えを書かせることが大切だといえる。
- ノートする時間のとり方
- 最初の段階
- 今の考えを3分間で書きなさい
- この資料から読みとれることを5つ以上書きなさい(時間は5分間)
- 次の段階
- 考えながら書き、書きながら考える
- 子どもの考えを板書する
- 子どもの考えを板書すれば、書くことが楽しくなり、授業も面白くなる。
- 黒板に書かれたことを写すだけでも、先生が黒板に一人一人の考えを書いてくれれば、反論や賛成論が出るだろう。
- まとめ時に書くこと
- 本時で学習した内容の整理
- 大切なことを赤線で囲んだり、線を引いたり、丸印を付けたり、線でつないだりする
- ▲印をつけて、本時の学習に対する自分の考え(感想・疑問・反論など)を書く。
- 短い文でよいから本音を書く
- 授業の終わりに、学習内容に対する自分の考えを書かせるには、きちんと時間をとった方がよい
- 授業中に発言できなかった分を、ノートに書き、授業後に教師に見せる。
- 証拠を出してくる子を大事にし、ほめていくと資料を活用する子供が増え、抽象的な話し合いにならずにすむ
- 新しく発生した問題
- これを明らかにし、書いておくと家での学習にも役立つし、間を生かすことにもつながる。
- 考えたことや調べたこと、「はてな?」と思ったことなどは「必ず、書く」という習慣を付けさせる
- 「間」をいかすには
- 問題を確かに持たせること
- 予想をしっかり立てさせること
- 追究のしかたを具体的に考えさせること
- 点検のしかた
- その子の言葉で書かれているか
- その子の考え方、個性が出ているか
- 内容をしっかりとらえているか
- ユーモアがあるか