UnsplashのJose Moralesが撮影した写真
100周年を迎える甲子園の地方大会がまもなく始まりますね。3700校が日本一の座を目指して火花を散らすことになります。
みなさんはどんな高校生でしたか?私は格闘ゲームにうつつを抜かす、それはそれは意識の低い高校生でした。それはさておき、今回も郁文館グローバル高校の総合人間科学ゼミの高校生がICT教育に関するレポートを書いてくれたので、さっそく見てみましょう。
なお読みやすくするために、私(植田)があとから一部を太字にしています。
教育格差をなくすには、学校とICT通信教育のハイブリッドで対処すべき
UnsplashのElena Mozhviloが撮影した写真
東京の私学で学んでいて、学校の設備とかICTやアプリの利用、海外と連携した授業など当たり前のものとして過ごしていました。このニュースを聞き、また地方の学校教育環境のニュースを知るにつれ、考えるのはSDGs No.4の観点「質の高い教育をみんなに」ということです。
自治体ごとによる福祉は住民数などの違いから差が出るのは仕方がないかもしれない。しかし、教育に関してはみんなが高水準かつ平等な教育を受ける必要性があると思います。生まれた地域で教育の質が違うのは、東京への一極集中を進めるだけなのだと思います。
とはいえ、一律に同じ教育をするのも競争性や独自性がなくなり面白くないと思うのです。例えば偏差値の高い大学に行くのを目的として教育を行えば、経済と同じで突き詰めていくと独占・寡占というように進学校とそれ以外に別れてしまう。
それなら今の多様化の時代にどうすべきか。私はここでICT教育の役割を大きくすることだと提案します。教育費で格差が広がるのであれば、高校からは教育の一部分を通信教育などのICT教育で保証すればいいのではないでしょうか。
全国一律必要最低限の授業料で基礎教育を行い、個性やスキルに特化した学びを全国一律オンラインで行えば、費用の幅が少なくなると思います。東京の学校に行くから経済的なメリットがあるのではなく、地元にいながら誰もが東京や世界の学びを通信で受けられる仕組みを作るべきだと思います。
またOCW(Open Course Ware)やMooc(Massive open online course)なども単位化すればもっと自由度が広がり、どこでも学べる環境ができるでしょう。そのうえで地域特性を生かした独自の授業を各地域ですれば、個人として、地域としてユニークな学びができると思います。
参考:
最近の高校生は大変意識が高いですね・・・参りました。SDGsも引用するなんて、将来が楽しみです。
それはさておき教育の平等性と多様性はともに大切ですが、両立させることはできるのでしょうか?文科省は詰め込み教育から探究活動へと舵を切ろうとしています。今後は多様性がよりいっそう求められ、公的な機関で対応することがどんどん難しくなりそうです。
このことは、次のレポートのご紹介後にもう一度触れます。
発音練習AIアプリを使ってみたら、非常に良かった
UnsplashのHerlambang Tinasih Gustiが撮影した写真
最近、授業以外で英語を勉強する方法はないかと、AIアプリを探していました。オンライン英会話もいいのですが、良いサービスは値段が高いのですよね。安いサービスは……まあ値段相応。英検やIeltsにも対応できるものを探しているとElsaSpeakを見つけました。
早速利用して発音練習。ネィティブとの発音比較をしたり、一斉指導で学校ではできなかった自分の発音矯正を、間違った箇所ごとに色で指摘したりしてくれます。そこだけ繰り返し練習することでいつかは苦手なLとRの発音が直るかも。
さて、AI練習です。シチュエーションが設定されているので、思ったよりさくさく行けます。困ったときには会話のヒントなども出てきてストレスなく会話できます。
次の機能はカメラ取り込みでWEBの英文を取り込んでの練習です。WEBサイトの英文ニュースをパシャリととって、読みこむとすぐにその英文の発音練習ができます。教科書のテキストを読みこんだりして、授業の予習もしやすいかも。なにより英文スピーチ原稿とかにも利用できるかもしれません。
一通り使ってみて、学校の勉強補助としては最適なアプリだと思います。私なんかは発音が怖くてなかなか授業で発表することができませんが、これで事前に練習しておけば怖くないかも。また海外留学前の準備練習としてもいいかもしれません。
こういったAI会話アプリがもっと進化すれば、近い将来、アプリでアニメのキャラと話すことができることでしょう。そうすれば私の成績ももっと上がるはずです。たぶん。
参考:
ご存知でしょうか?一昨年11月のChatGPTの登場以来、AIアプリは雨後の竹の子のように毎日いくつもリリースされています。上の高校生のレポートにもある通り、AIは一人一人の生徒に個別に対応することができます。今後、教育の平等性と多様性を両立させようとする取り組みの中にAIが入ってくることは避けられないでしょう。
では今後、何が起こるのでしょうか?
1990年代、私が大学生の頃、ほとんどのパソコンはインターネットに接続されていませんでした。今、インターネットに接続されていないパソコンがあるでしょうか?当時の投資の世界では、世界に先んじてインターネットサービスに資金の大部分が集中したそうです。
2000年代には「5年で規模が100倍になる」サービスが多数生まれました。そんな状況では、手当たり次第に投資して1つでも当たればOKとなってしまいます。
マイクロソフト、アップル、Amazon、メタといったアメリカの企業の多くが、そういう投資を受けて生まれてきました。マンハッタン計画で味を占めたアメリカ政府が、シリコンバレーに資金を注ぎ込んだためです。
AIアプリもまた、そういう歴史の濁流のなかにあります。1日に10個のアプリが登場すると、1年で約3700のアプリが出現してお互いに存続を賭けて火花を散らすことになります。お互いに切磋琢磨し、急速に成長し、どんどん高度なことができるようになります。その進歩を止めることは誰にもできません。
勝ち残ったAIアプリが学校にやってきます。難しい判断を迫られる日はそう遠くありません。