2026年7月21日
「物理? ぜんぜん分からん」

中学生や高校生のころ、そう感じた人は少なくないと思います。
黒板に数式が現れた瞬間、急に知らない言葉で話しかけられたような気持ちになる。身の回りの話をしていたはずなのに、気づけば「宇宙人の学問」に見えてしまう。
そして、これは教わる側だけの悩みではありません。
物理は、座学だけで教えるのが非常に難しい。
数式だけでは、なかなか伝わらない。だから実験が大切なのですが、器具をそろえ、配線し、プリントを用意し、安全を確認するのは大変です。
生徒に「分かった!」と言ってほしい。でも、そのための準備が重い。物理を教える先生は、いつもその間で踏ん張っています。
動く、揺れる、鳴る。これ、全部物理です
でも考えてみると、物理は決して日常から遠い学問ではありません。
歩きだす。立ち止まる。電車が揺れる。手をたたくと音が鳴る。
私たちが毎日経験していることは、物理だらけです。
しかも、世界中で使われているスマートフォンには、加速度、音、位置などを測るセンサーが入っています。

つまり、ポケットの中に実験器具がある。
特別な装置を用意しなくても、スマホを振る、歩く、音を鳴らす。それだけで、数式の向こう側にある現象を自分の手で確かめられます。
2日間の実験講習会へ
この2日間、若い物理の先生向けの実験講習会に、講師として参加しました。
会場には私以外にも多くの講師の先生方が集まり、それぞれの得意な実験を紹介しました。器具を準備し、参加された先生の疑問に答え、一緒に手を動かす。講習会は、たくさんの先生方の力で成り立っています。
そんな中で気になったのが、学校端末のことでした。
学校では、個人のスマホを授業へ持ち込みにくいことがあります。せっかくスマホで実験できると知っても、「学校端末では使えないんですか?」と残念な思いをさせてしまうかもしれない。
そこで、私にできる準備をすることにしました。
インストールしなくても、ブラウザを開くだけで使える物理実験アプリを、講習会前夜の午前1時まで制作しました。
アプリも、なんとか間に合いました。
講習会では、参加された先生方が端末を手に取り、グラフを動かしながら実験してくださいました。みなさん満足して帰ってくださったようで、講師の先生方と一緒に無事2日間を終えることができました。
よかった、よかった。
物理は、数式だけを見ると遠い。でも、現象はいつも私たちのすぐそばにあります。
その距離を少しだけ縮める道具として、スマホや学校端末を使えるようにしていきたいと思います。
理科の授業を少し身近にする試行錯誤を、これからも書いていきます。よかったらフォローして見守ってください。