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教育システム情報学会シンポジウム登壇:加藤様・鳴海先生と探る、XRが切り開く教育の未来

ようやく暑さが弱まってきました。少し間が空きましたが、いかがお過ごしでしょうか。

8月29-31日、近畿大学東大阪キャンパスで教育システム情報学会研究大会が開催されました。この大会では、教育や学習を支援する情報システムについて研究することを主な目的としており、情報を共通項とする様々な分野の研究者が集まっています。

この大会のメインプログラムとして、「XRによる新しい教育・学習の価値とその普及」についてのパネルディスカッションが行われました。オンラインも含めると約200人が参加しました。

taikai2023.jsise.org

企画は関西大学の小尻先生、研究大会実行委員長が担当しました。パネリストとして登壇したのは、クラスター株式会社の代表取締役CEO、加藤直人氏、東京大学のサイバーインタフェース研究室の鳴海拓志先生、そして私でした。

加藤直人氏は、京都大学大学院理学研究科修士課程を中退後、VR技術を活用したスタートアップ「クラスター」を2015年に起業。その後、日本最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を2017年に公開しました。彼の経歴は、宇宙論と量子コンピュータを専門として研究していたことから始まり、多くのメディアでも取り上げられています。また、経済誌『Forbes JAPAN』の「世界を変える30歳未満30」に選ばれました。

corp.cluster.mu

www.allow-web.com

forest.watch.impress.co.jp

一方、鳴海拓志氏は、東京大学のサイバーインタフェース研究室での研究において、バーチャルリアリティや拡張現実感の技術を活用して、人間の知覚や認知に影響を与えるインタフェースの開発を目指しています。彼は多感覚インタフェースやソーシャルロボットにも研究を展開しており、文部科学大臣表彰若手科学者賞や日本バーチャルリアリティ学会論文賞など、多くの賞を受賞しています。

東京大学 Cyber Interface Lab 葛岡・鳴海研究室

www.t.u-tokyo.ac.jp

日本バーチャルリアリティ学会誌第25巻 3 号2020年 9 月 研究室紹介

ディスカッションを通して私は、お二人のお考えのスケールの大きさに圧倒されました。また、我々がいかに束縛されて生きているか、気づかされました。そういったものを取り払って【リアリティー】と向き合った(没入した)ときに、人間と人間の成長はもっと自由になるのではないかと思いました。

会場の様子ですが、加藤様の思いであるバーチャルな世界でずっと過ごしていたいというお話に、会場の若い学生の方々がうなずいていました。特に若い方々は強く感じるところ、思うところがあるように感じられました。

鳴海先生の自己イメージをコントロールするというお話は、会場の先生方にとっても衝撃だったように、私には感じられました。私自身も、自分の子どもを含め若い子が自己肯定感を持てずに現実に翻弄されているさまを見ていると、どうしていいかわからない無力感のようなものに囚われます。

若い方々に寄り添うお二人の姿勢は、私にとって大きな学びでした。【リアリティー】は何なのか、没入するとはどういうことなのか、追求していきたいと思います。

今回のシンポジウムは、私にとって非常に刺激的なものとなりました。小尻先生をはじめ、関係者の皆様に深く感謝いたします。