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Physics Education with Mixed Reality (HoloLens)

日本物理教育研究会の公開講座後に体験会を実施しました

そろそろ夏休みも終わりですね。新学期に向けて戦々恐々としている先生方も多いのではないかと思います。

しかしながら、押し寄せる子どもたちから解放される施設も多いことでしょう。その中には博物館も含まれます。私も学生時代に、科学博物館で展示をわかりやすく解説するという仕事をしておりました。

しかし世の中には、説明するのが難しい事柄がたくさんあります。

その1つが、高校物理で難関とされる磁場。モーターや通信、センサーなど非常に広範なテクノロジーに関係する重要項目ですが、特に以下のような課題があるとされています。

磁場の分布と連続性

  • 磁力線が目に見える「物理的なもの」として存在するという誤解。
  • 磁場は2次元のものであるという誤解。
  • 磁場の方向性やベクトルとしての性質を誤解し、スカラー量として捉えてしまう。

電流のつくる磁場

  • 磁石による磁場と、電流や電荷による磁場は、異なったものであるという誤解。
  • 電流が流れる導線の周囲に磁場が発生するという概念を正しく理解できない。
  • 「紙面に垂直で裏から表向きの一様な磁場」のような3次元の磁場をイメージすることができない。

磁石や磁場といった事柄は小学校4年生から丁寧に学び始めますが、それでも大変わかりづらいです。教える高校の先生も大変です。

これらの課題解決に向け、弊社の磁界観察装置の体験会を、昨日(2024年8月21日)埼玉県立与野高校で開催された日本物理教育研究会(APEJ)公開講座のあとに実施させていただきました。

12名の生徒が参加し、磁場の3次元的可視化を体験。大変盛り上がり、アンケート結果から全員が理解を深めたこともわかりました:

  • 観察はとても面白かった:100%
  • 磁場の理解が深まった:100%
  • 理由:実際に確かめられる、リアルだから、立体的でわかりやすい、イメージしやすい

本装置の特徴は以下の通りです:

  • インタラクティブで磁石を動かすだけの簡単操作
  • 複合現実技術を使ったリアルタイム立体表示
  • アナログとデジタルの融合によるリアリティーへのこだわり

弊社はこの教材の開発を長年にわたって続けてきました。2019年に日本物理教育学会において査読論文が受理されており、2021年には特許を取得しています。信頼性と実績には自信を持っております。

このような観察を多くの子どもたちに体験してもらうには、科学館での展示が最適ではないでしょうか。もし博物館関係者をご存知でしたら、チラシPDFをご紹介ください。

科学館の来館者の方々は親子連れであることが多いですから、親子で体験を共有し興味を持って頂けると、何年後かに「そんなことも知っているの?」と高校の物理教員が助かるかもしれません。「情けは人のためならず」というわけです。

最後になりましたがこの場をお借りして、大変お忙しいなか今回の機会を設けて頂いた埼玉県立与野高校の先生方に、心より感謝申し上げます。

ご質問・ご意見をお持ちの方はこのメールにご返信下さい。今後の開発に活かしてまいります。引き続きのご支援を、何卒よろしくお願いいたします。