ここはとある中学校の職員室…
理科の先生「うーむ」
社会の先生「どうしたんですか?」
「いやー、悩んでいるんです」
「何をですか?」
「明日、磁界を教えるのですが、目に見えないものじゃないですか」
「そうですね」
「これが多くの生徒にとって全然わからないんですよね」
「つまづきやすいポイントなんですね」
「ええ」
「実はちょっといいものを知ってますよ」
「なんです?」
「先端技術である複合現実(Mixed Reality, MR)を使うと、見えないものを見ることができるんです」
「ほうほう」
「HoloLensという機器を使うんですが、これを付けると磁界を可視化するアプリがあるんですよ」
「ホロレンズ?」
「頭にかぶる大きなサングラスだと思って下さい。そして、そのサングラス上に映像が映されて見ることができるんです」
「すごいですね。よし、それを試してみようかな。ちなみにおいくらぐらいするものなんですか?」
「あー…、えっと、私はわからないので、調べてみて下さい」
「今、目をそらしましたね」
「いえいえ、さあ私も、明日の授業の準備をしなくちゃ」
「???」
私は京都大学で理学部物理学科と情報学研究科を修了した後、教員を10年やりました。これらの経験を活かして、科学学習アプリを開発しています。
中学生がつまづきやすい「場」の概念。「何もないのに?」というわけで、このアプリではHoloLensの力を借りて磁場を可視化します。体験者が磁石を手に持って動かせるようにしました。HoloMagnet2。よろしくお願いします。
まずインターネットに動画を公開しました
日本語
英語
中学生がつまづきやすい「場」の概念。「何もないのに?」というわけで、このアプリではHoloLensの力を借りて電場を可視化します。体験者が磁石を手に持って動かせるようにしました。HoloMagnet2。よろしくお願いします。 pic.twitter.com/MYh2mnZCVk
— 植田 Feel Physics (@feelphysicsjp) 2017年6月18日
なんと、350リツイートされました。
MoguraVR様の取材を受けました
メールで取材を受けたのですが、とても好意的に書いていただいて、照れます。
開発の経緯についてお聞きしたところ、植田氏は京都大学を卒業後10年間、中学や高校で理科や物理を教える教師として働いていたそうです。その際に「(磁場や電場といった)理科や物理では、目に見えない概念的なものが多く、途中で諦めていってしまう生徒たちを見るのが辛かった」と感じていたとのこと。
そんな経験を経て、植田氏は教師を辞めて3年前からITを活用した教材の開発に取り掛かっています。開発を進める中、HoloLensを見た瞬間に「電磁気の授業に使える」と思い「ITと教育が分かる自分がやらなければならない」と感じたことが、本アプリの生まれるきっかけになったとのことです。
Twitterでの皆さまの反応
大阪メイカーズバザールで出展
「おお、足が棒のようだ」7/8は、大阪メイカーズバザールでHoloLensアプリ「HoloMagnet2」を展示しました。アンケートをとったのですが60人くらい来てくれました。要改善点がいくつも見つかり、まだまだがんばらなければならなそうです。いやー、それにしても忙しかったです。
HoloLensミートアップ東京
LT
2017年7月15日、HoloLensミートアップ東京でLTしました。
以下はそのときのスライドです。
デモ
今日は #HoloLens ミートアップ東京でLTとデモをしました。大阪でのデモの反応が悪かったのでスケールをかなり調整したのですが、そのおかげか比較的喜んでいただけました。しかしARの限界というか、もっと棒磁石を現実側に持って来てほしいという要望を複数の方々からいただきました。やってみます。どうぞよろしくお願いいたします。 http://blog.jp.feelphysics.education/entry/2017/06/18/181735