物理実験は準備が大変ですが、パソコン(IT)を使うと大変ラクチンになります。今回はセンター試験の過去問をとりあげ、音波の実験のやり方を説明します。用意するものはパソコンとスピーカー(ステレオ)だけです。
目次:
センター試験の過去問
取り上げるセンター試験の過去問は以下のものです(2004本試)。
「位相を逆にして」とありますが、高校生にはなかなか理解しにくいのではないかと思います。 そこで、ステレオスピーカーを使ってパソコンから逆位相の音を鳴らします。
この実験の良いところは、「位相」という言葉は抽象的で難解ですが、「たしかに波には位相というものがあるらしい」と高校生に実感させることができることだと思います。
なお、この実験のやり方を直接訪問して教えさせていただく「ラクラク実験セミナー」も開催しております。1時間、1万円(+三重県からの交通費)です。他の実験のセミナーとも合わせてご依頼いしていただくのが良いかと思います。
物品の準備
用意するものはPCとスピーカーだけですので、ラクチンだと思います。私が使ったのは以下のスピーカーです。実験室で20人くらいでやるには十分ですが、40人の普通教室でやるにはもっと大きな音を出すことができるものが良いでしょう。
また、低コストかつ手間がかからずに実施できるため、塾で実施するのも良いと思います。
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具体的には、右のスピーカーからは普通に正弦波の音を鳴らし、 左のスピーカーからは逆位相の音を鳴らします。
手順
アプリのインストール
以下のページから「Audacity」というアプリをダウンロードし、インストールします。
アプリの操作
それではAudacityを起動し、正弦波の音と逆位相の音を作っていきます。
「ジェネレータ」→「トーン」で、正弦波の音を作ります。
左右のスピーカーの音波が干渉しやすくするために周波数は1000ぐらいにしましょう。時間も3分ぐらいにしておきます。
正弦波ができました。ちょっとこの状態では音波の形がわかりませんが、あとでわかります。
いま作った波を後で逆位相にしましょう。まずは先ほどと同じやり方で2つ目の正弦波を作ります。
波形が見えるようになるまで、コントロールキー「Ctr」を押しながら「1」を何回か押します。
上のトラックをクリックします(選択状態にします)。
「エフェクト」→「上下を反転」します。
1つ目の波の波形が2つ目のものと上下が逆になりました。
音を鳴らすスピーカーを決めます。ここでは普通の正弦波を右スピーカー、逆位相を左スピーカーから鳴らすようにしました。
あとは再生するだけです。
実験
1000Hzだと波長が30cmくらいなので、同派系で音を鳴らすと、正面では強め合い、2つのスピーカーから見て30度くらいのところで打ち消し合い、45度くらいのところで強め合います。
逆位相にすると、強め合う場所と打ち消し合う場所が入れ替わります。
生徒は「おおー」という感じに反応してくれます。これが嬉しいですよね。
まとめ
音波の物理実験のやり方を紹介しました。パソコン(IT)を利用すると準備がとてもラクです。ぜひやってみて下さい。
再掲になりますが、この実験のやり方を直接訪問して教えさせていただく「ラクラク実験セミナー」も開催しております。1時間、1万円(+三重県からの交通費)です。他の実験のセミナーとも合わせてご依頼いしていただくのが良いかと思います。