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天気の導入で『天空の城ラピュタ』と『魔女の宅急便』を活用する

今日は天気の単元の導入である。

◆導入の大切さと困ったこと

導入で重要なことは、「普通の授業」をしてはならない、ということだ。

生徒の意表を突き、「天気って面白いかも」と思わせなければならない。逆に意表を突くことに成功すれば、あとは多少退屈な授業をやってもついてくる・・・

・・・のだが、実は文化祭直前で(言い訳)、何も準備をしていない。意表を突くのは重要と言いつつ、その準備ができていない。実に困った。

◆見せるシーン

仕方ないので今日は、『天空の城ラピュタ』と『魔女の宅急便』を見せようと考えている。具体的に見せるシーンは以下の3つだ。

1)ヒロインのシータが飛行船の船長に飛行石の光線の方角を説明するシーン
2)巨大低気圧「竜の巣」に近づくタイガーモス号
3)天気予報を聞くヒロインのキキ

1)では、太陽の日没方角が季節によって変化することを前提にシータが天空の城ラピュタの方角を説明をする。これは正確には3年の範囲なのだが、まあいいだろう。

2)は今回の要である。 まず、敵の飛行船を追う飛行船タイガーモス号の乗組員が船長に水銀計がどんどん下がっていることを告げる。船長は「こんなときに時化てくるとは」という。 これは以下の事柄を示している:

・気圧がどんどん下がっていること
・すなわち、船が低気圧に近づいていること
・低気圧では天気が悪いこと

さらに、主人公の少年パズーはタイガーモス号の前方に巨大な積乱雲のような雲のかたまりを発見する。船長が「それは低気圧の中心だ」という。中は雨と雷の嵐だ。

これは以下の事柄を示している:

・低気圧では上昇気流が発生し、雲ができる
・低気圧の中では雨が降り、激しい場合には雷も飛ぶ

ただし、なぜ上昇気流が雲をつくり雨を降らせるかはわからない。これを知るには

・高度と気圧の関係
・気圧と温度の関係
・温度と飽和水蒸気量の関係

がわかっていなければならない。

3)では、ヒロインのキキが天気予報を聞いている。その内容は以下の通り:

・高気圧の影響で天気は晴れ
・今夜は満月
・風の向きと風力。風力は3と弱い。

これらの情報をもとに、キキは今夜旅立とうと決断するわけである。

こんな感じで、意外に学習に使えそうな内容なのだ。まあ、合唱練習で疲れている生徒たちには良い息抜きになるだろう。なにより、これは生徒には言えないが、こちらも準備に時間がかからず助かる・・・

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