Photo by Đức Trịnh on Unsplash
みなさん、「コイン型紛失防止タグ」ってご存知ですか?
上の写真の左手の指先に乗っているアイテムで、ネットワークを介して鍵やバッグなどの所在をスマホの地図上で確認できます。私はこれを自分のすべての財布や鞄に入れています。
少し前に、小旅行中に私のカバンがなくなるということがありました。すぐにスマホで確認すると、カバンの場所が移動していて、どうも駐車場に停まっている車の中にあるようです。これは置き引きだなと思いました。状況がわかったので、落ち着いて対応することにしました。現地に行き、車を外からのぞき込むと案の定、私のカバンが見える。警察に相談したところ、車の所有者に問い合わせてくれました。すると曰く、「これから警察に持って行こうと思っていた」。
やれやれですね。そのときは「備えあれば憂いなし」を実感した、フィール・フィジックス代表の植田達郎です。このニュースレターは弊社の活動にご協力いただいている皆様にお送りしています。今回は、ワークショップ実施のご報告です。
昨日4月27日に「神奈川の理科教育を考える集い」(科学教育研究協議会 神奈川支部 主催)でワークショップをご提供させていただきました。貴重な機会を頂いた横浜物理サークル(YPC)の鈴木健夫先生に感謝申し上げます。
ワークショップでは2つ体験していただきました。1つ目が実験アプリ、2つ目がAIアプリです。
実験アプリ
「バーチャル・オシロスコープ」* は、無料のブラウザベースの実験用Webアプリです。インストール不要で、リアルタイムにマイク入力を信号波形として可視化できます。主な特徴は以下の通りです:
- アプリ制限されていても利用可能
- どの学校でも、どんな教員の集まりでも利用可能(iPad、Chromebook、Windows、iPhone、Androidで操作方法が同じ)
体験の様子ですが、私は子どものピアニカを持ち込みました。その低い音と高い音を順に出して、先生方に波形を記録・比較して頂きました。「もっと大きい音を長く出して!」「いいね!」といった掛け合いができて、良い雰囲気でした。
あと、スマホが苦手な年配の方も多かったのですが、YPCの菅野先生などの若い先生方がサポートしてくださり、全員が体験することができました。こっちの方が良いことですね。ありがとうございました。
AIアプリ
「Gamma」(ガンマ)** は、AI技術を活用してプレゼンテーション資料を自動生成できるオンラインツールです。主な特徴は以下の通りです:
- テキストやキーワードを入力するだけで、AIが自動でプロフェッショナルなスライドを作成
- 画像や素材が自動で生成・挿入され、デザインやレイアウトの知識がなくても見栄えの良い資料がすぐに完成
- 作成した資料はPowerPointやPDF形式でエクスポート、URLでの共有も可能
体験の様子ですが、ノーベル賞ニュースや時事ニュース、新任の先生向けガイドなどを自動スライド化してお見せしました。「原本のままだと読む気が起きない」けれども、「スライドにすると読む気が起きる」ことを理解して頂きました。スライドおそるべし。
話題は広がり、最近の生徒たちのAI利用や、将来的な教員の仕事の変化にも及びました。強い危機感として、ファクトチェックできない教員がかなり多い一方で、教員よりも生徒が先に使いこなすようになることは避けられず、教育活動がすでに空回りし始めていることが挙げられました。
個人的には、学校教育の中心は「知識」から「体験+コミュニケーション」に急速に移ると考えています。そう!「実験+討論」ですよね。どんな授業をすれば良いのか、私たちはすでに何十年も実践と議論を積み重ねてきました。「備えあれば憂いなし」。私たちは、落ち着いて対応できるはずです。
最後になりますが、両方のアプリに関して、中学校理科教員の小岩寿之先生に事前に詳しく検証していただき、ワークショップの流れについてもご意見を頂戴しました。この場を借りて御礼申し上げます。
本件に関して質問等ありましたら、このメールに返信していただくか、お電話でも結構です。みなさんの生の反応が私たちの学びになっておりますので、どうぞお気軽にお寄せください。
引き続き、みなさまのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします!
参考資料
- スライド「タブレットアプリを使った実験授業」
- ** スライド「AIアプリを使った資料準備」