
(公式GitHubページより)
先日、オープンソースロボットのイベントに参加し、標題のような思いを強くしました。今回は、そのとき感じた「AIとロボットの進歩が、これからの教育に何を問いかけているのか」を簡単に共有したいと思います。「物理教育の未来を創造する」フィール・フィジックスの植田です。
AIの進歩は、私たちの想像を超える速さで進んでいます。これまで「人間にしかできない」と思われていた作業が、次々とAIの守備範囲に入りつつあります。ホワイトカラーの仕事がAIに置き換わりつつあることは広く知られていますが、今やその波はブルーカラーの領域にも及ぼうとしていることを、このイベントで実感しました。こうした変化の中で、「学校で何を教えるべきか」という従来の前提が揺らいでいます。
イベントでは「LeRobot」というオープンソースのロボットアームが紹介されました。価格は約4万円(秋月電子でも購入可能)。このロボットアームが、AIによって自律的に動作する様子を目の当たりにしました。
仕組みはこうです。2台のロボットアームを用意し、1台を人間が操作すると、もう1台が同じ動きを再現します。人間が「積み木をつまんで箱に落とす」という動作を50回行い、そのデータをAI(Transformerモデル)に学習させます。すると、ロボットは自律的に同じ作業ができるようになります。
さらに驚いたのは「ワールドモデル」と呼ばれるシミュレーション技術の話です。仮想空間上で学習を行えば、現実世界よりもはるかに高速にできるといいます。学習速度が劇的に向上すれば、農作業や工場での旋盤加工といった技能も、AIが短期間で習得できる時代が来るかもしれません。
もしそうなれば、「技能そのもの」だけでなく、その技能をどう組み合わせて「新しい価値」を生み出すかというディスカッションや試行錯誤の経験・技術が、今よりさらに重要になるはずです。
イベント主催者の方との対話の中で、こんな言葉が印象に残りました。「これからどうなるかは誰にも分からない。そんな時代を生きる子どもたちを育てる上での鍵は、あくまで私見だが、行動力を育てるということではないか」。とても重く響きました。
学校の日々の授業や活動の中で、子どもたちの「行動してみる力」をどう後押しできるのか。新しい内容を具体的に考えるのは我々の仕事です。
そして、世界は今後どうなるのか。明確な答えは誰にもわかりません。しかし、答えが出ないからといって目を背けるわけにはいきません。変化を知り、考え続けること。それが、予測不能な時代を生きる子どもたちに向き合う私たちの責任ではないでしょうか。
最後に、今回のイベントを主催してくださった皆様に感謝いたします。貴重な学びの機会をありがとうございました。
なお、このニュースレターについてですが、本業が非常に忙しいため、しばらく休載させて頂きます。
イベントに参加していろいろ刺激を受けるとついつい記事を書きたくなってしまうのですが、このままだと年末年始を含めて休まる日が来ないというか、やらなければならないことが山積みのままなので、ご容赦下さい。
新年度に向けた準備の目処が立ったタイミングでまた戻ってきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
あと、みなさまどうぞよいお年をお迎えください!