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横浜物理サークル2月例会に参加しました:ICTへの関心は世代で異なる

Photo by Federico Giampieri on Unsplash

昔ジェネレーション・ギャップという言葉が流行りましたね。末尾の参考資料によるとこれを端的に表す言葉は「最近の若者は」「大人はわかってくれない」なのだそうですが、つい先日迎えた49歳の誕生日も子どもとケンカをして「最近の若者は!」と言いそうになっている、フィール・フィジックス代表の植田達郎です。

このニュースレターは弊社の活動にご協力いただいている皆様にお送りしています。今回は、横浜物理サークル(YPC)の2月例会に参加したご報告です。


YPCとは

YPCは関東で指折りの物理教育サークルであり、ICT活用に非常に前向きなことが特徴として挙げられます。登録者約150名、毎回15〜20名が参加する例会には、20代から60代以上まで幅広い年代の教師が集います(ちなみに私はまだギリギリ40代です)。

私の発表

2024年のYPCにおけるICT関連発表は16件あり、次の3つに分類できました:

  1. 個別実験用ツール (6件): 特定実験をサポート
  2. 全般的な教育ツール (6件): 広範囲に適用可能なICT手法
  3. 自宅実験ツール (4件): 家庭での実験を可能にする技術

この分類はイノベーション理論の3分類(参考資料)にも対応しており、YPCの発表がバランス良く展開されていることを示しています。発表後に「みなさんはどのツールのことをもっと知りたいですか?」というアンケート調査を実施しました。

アンケート結果

興味深い傾向が浮かび上がりました:

  • 20代の若手教師: 「明日の授業を乗り切りたい!」 個別実験ツールへの関心が高く、日々の実験準備の負担軽減を切実に求めている。
  • 30-40代の中堅教師: 「10年後も通用する教師でありたい」 基本スキルは確立済み。革新的ツールや自宅実験ツールで新時代へのキャッチアップを意識。ちなみに私はまだギリギリ・・・(冷ややかな視線を感じて口をつぐむ)
  • 60代以上のベテラン教師: 「物理教育の未来を見守りたい」 自身のためではなく、次世代の物理教育を案じて革新的ツールに関心を示している。

重要なポイント

この調査から見えてくる教訓は、「何となく便利なツール」では駄目であり、「誰のための、何のためのツールか」を明確にすることが大切であるということです。同じ「物理教師」という枠組みの中でも、キャリアステージによって頭痛の種(ニーズ)は異なります。

教育を支援する何かを開発・研究・提供する際は、ターゲット層を絞り込むことが重要だと考えられます:

  • 若手教師なら「明日の授業で即使える」ツール
  • 中堅教師には「10年後も価値がある」ツール。ちなみに私は・・・(背筋を冷たい物が走り口をつぐむ)
  • ベテラン教師向けには「次世代への橋渡し」となるアプローチ

サンプル数は限られていますが、この小さな調査からも見えた「世代別ニーズの多様性」。フィール・フィジックスではこの知見を活かし、各世代の教育者が真に求めるICTツールの開発に取り組んでいきます。


本件に関して質問等ありましたら、このメールに返信していただくか、お電話でも結構です。みなさんの生の反応が私たちの学びになっておりますので、どうぞお気軽にお寄せください。

また、1月から仕事に忙殺されておりニュースレターの発行が遅れております。大切な経験・知見も多数あり、時間が確保できれば共有したいと思っています。引き続き、みなさまのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします!

参考資料

  • ジェネレーションギャップ - Wikipedia

ja.wikipedia.org

  • ジェネレーションギャップとは?Z世代と昭和世代で生じる仕事の問題| 人事・総務担当者の課題解決コラム|アイ・イーシー

iec.co.jp

  • イノベーション - Wikipedia

ja.wikipedia.org