プロローグ:天国の休憩室にて

ニュートン:(紅茶をすすりながら)「ふぅ、天国も退屈だな。リンゴでも落としてみるか」
エジソン:「アイザック、それ昨日も一昨日も見たぜ。もう飽きたって」
キュリー夫人:「あら、二人とも暇そうね。ちょうどいいわ。2025年の地上で面白い実験をしている人がいるの。覗いてみない?」
ニュートン:「2025年?僕が生きてた頃から300年以上も未来じゃないか!」
エジソン:「お、面白そうだ!俺も混ぜてくれよ!」
キュリー夫人:「じゃあ、タイムマシン起動するわよ。3、2、1...」
全員:「うわあああああああ!!!」
- 着陸:2025年、植田さんのオフィス
- 【第1話】結論:植田さんが発見した「魔法じゃないけど、めちゃくちゃ便利なこと」
- 【第2話】理由:なぜ「道具の組み合わせ」が大事なのか?
- 【第3話】具体例:植田さんの「失敗と成功」を覗き見!
- 実験2:「月3万円払ってでもCometを使う価値はあるのか?」
- 実験3:「RAG(過去データ検索AI)はどれを使うべきか?」
- 【最終話】結論:AIは「魔法」じゃなくて「道具」。大事なのは「組み合わせ方」!
- あなたも今日から始められる!「3つのアクション」
- エピローグ:天国に帰る3人
- おまけ:用語集(中学生でもわかる!)
- 最後に
着陸:2025年、植田さんのオフィス
ニュートン:(床に転がって)「いたたた...着陸失敗だ。計算が間違っていたかな」
エジソン:「へへっ、アイザック、お前のカツラずれてるぜ」
ニュートン:「これはカツラじゃない!!!」
キュリー夫人:「静かに。ほら、あそこに植田さんがいるわ」
植田さん:(画面に向かって)「よし、iPhoneをNFCタグにかざして...っと」
ピコン!
ニュートン:「!!!今、何が起きた?」
エジソン:「見たか?スマホを板にかざしただけで、パソコンの画面に『業務開始』って文字が出たぞ!」
ニュートン:「魔法か!?これは魔法なのか!?」
キュリー夫人:(ため息)「アイザック、落ち着いて。これからゆっくり説明するわ」
【第1話】結論:植田さんが発見した「魔法じゃないけど、めちゃくちゃ便利なこと」

キュリー夫人:「さて、まずは結論から話すわね。植田さんが今日やったことは、こういうことよ」
ニュートン:(メモを取り出して)「ふむふむ...」
発見その1:スマホをペタッと置くだけで、仕事の記録が勝手につく
エジソン:「これがヤバい!俺の時代は『今日は朝7時に起きて実験を始めました』ってノートに手書きしてたのに、今はスマホをカードみたいなやつ(NFCタグ)に『ポンッ』て置くだけで、パソコンに『業務開始しました!』って記録されるんだぜ」
ニュートン:「で、でも、どうやって?スマホとパソコンは離れてるのに!」
キュリー夫人:「それはね、アイザック...」
🔬超簡単説明:スマホをポンッ→記録が残る仕組み

- スマホをNFCタグに置く(これがスイッチみたいなもの)
- 「ショートカット」っていうアプリが動く(スマホの中のロボットが起動する)
- 「Zapier(ザピアー)」っていう道具に「やって!」って信号を送る(伝令が走る)
- Zapierが「Asana(アサナ)」っていうメモ帳に「業務開始!」って書き込む(メモ完成!)
ニュートン:「...つまり、ドミノ倒しみたいなものか?一つ倒すと、次々に倒れていって、最後にゴールにたどり着く」
キュリー夫人:「その通り!よく理解したわね」
ニュートン:「ふふん!僕は天才だからな!」
エジソン:「で、これ作るのに何日かかったと思う?」
ニュートン:「うーん、こんな複雑な仕組み...1ヶ月?」
エジソン:「ブブー!不正解!たったの30分だ!」
ニュートン:「さ、さんじゅっぷん!?!?嘘だろ!?」
発見その2:AIが勝手にWebサイトを操作してくれる(でも完璧じゃない)
エジソン:「次はもっとヤバいぜ。Comet(コメット)っていうAIブラウザがあってな」
ニュートン:「コメット?彗星のことか?」
エジソン:「いや、今回は違う。これは『人間の代わりにパソコンを操作してくれるAI』のことだ」
キュリー夫人:「例えばね、植田さんが『このサービス、解約したいなぁ』ってCometに言うと、Cometが勝手に解約ページを探して、ボタンを押してくれるのよ」
ニュートン:「ええええ!?召使いみたいじゃないか!」
エジソン:「ただし!」
ニュートン:「ただし?」
エジソン:「完璧じゃない。けっこう間違える。道に迷ったり、変なボタン押したり」
ニュートン:「な、なんだ。じゃあダメじゃないか」
キュリー夫人:「それが違うのよ、アイザック。人間が横で見てて、『ちょっと違うよ』って教えてあげれば、すごく便利なの」
発見その3:過去のデータから、AIが「次やること」を提案してくれる
エジソン:「そして植田さんは、30人分・30時間以上のインタビュー録音を持ってるんだ」
ニュートン:「30時間!?聞くだけで1日以上かかるぞ!」
キュリー夫人:「だから、RAG(ラグ)っていう技術を使うの」
ニュートン:「らぐ?ボロボロの布のこと?」
キュリー夫人:「違うわよ(笑)。RAGっていうのは、AIが大量のデータの中から必要な部分だけを探し出して、それを元に答えを作る技術のことよ」
エジソン:「例えば、植田さんが『この人にインタビューの依頼メールを送りたい』って思ったとするだろ?」
ニュートン:「うん」
エジソン:「普通なら、『えーっと、前回はどんなメール送ったっけ?』って過去のメールを探して、それを参考に新しいメール書くよな?」
ニュートン:「そうだな。それで10分くらいかかるな」
エジソン:「それが、RAGを使うと、AIが過去のメール全部を見て、『こういうメールがいいんじゃないですか?』って下書きを作ってくれるんだ」
ニュートン:「マジか!!!」
キュリー夫人:「アイザック、言葉遣いが乱れてるわよ」
【第2話】理由:なぜ「道具の組み合わせ」が大事なのか?

シーン:ニュートンの研究室(天国支部)
ニュートン:「でも、マリー。一つ疑問があるんだが」
キュリー夫人:「何かしら?」
ニュートン:「なぜ植田さんは、一つの完璧な道具を使わずに、いくつもの道具を組み合わせてるんだ?面倒じゃないか?」
エジソン:「おっ、いい質問だな、アイザック!」
ニュートン:「当たり前だ。僕は天才だからな」
エジソン:「で、その天才様に教えてやるけど、『完璧な道具』なんてこの世に存在しないんだよ」
ニュートン:「え?」
エジソン:「いいか、俺は電球を作るのに、1万回失敗したんだ」
ニュートン:「1万回って...それ、もう失敗の天才だろ」
エジソン:「うるせえ!!!言い方があるだろ!!」
キュリー夫人:(笑いながら)「まあまあ、二人とも落ち着いて」
🎓中学生でもわかる「道具の組み合わせ」講座
キュリー夫人:「いい?アイザック。例えば、あなたがカレーを作るとするわね」
ニュートン:「カレー?僕はいつもリンゴしか食べないが...」
キュリー夫人:「それはどうでもいいから聞いて。カレーを作るには、鍋、包丁、まな板、お玉...いろんな道具が必要でしょ?」
ニュートン:「まあ、そうだな」
キュリー夫人:「『全部できる完璧な道具』って想像できる?鍋と包丁とまな板が一体化してる道具」
ニュートン:「無理だな。形が変すぎる」
キュリー夫人:「そう。だから、それぞれの道具を適材適所で使い分けることが大事なの」
エジソン:「植田さんも同じなんだよ。いろんな仕事があるから、それに合わせて道具を使い分けてるんだ」
植田さんの「道具箱」を覗いてみよう
エジソン:「じゃあ、植田さんがどんな道具を使い分けてるか、見てみようぜ」
道具1:Zapier(ザピアー)- 「橋渡し職人」
エジソン:「Zapierってのは、いろんなアプリ同士を繋げてくれる道具なんだ」
ニュートン:「つなげる?」
キュリー夫人:「例えばね、スマホのアプリAと、パソコンのアプリBがあったとするわね。本当は、AからBに情報を送りたいんだけど、AとBは全く別の会社が作ってるから、普通は繋がらないの」
ニュートン:「ふむ」
キュリー夫人:「でも、Zapierが間に入ると『AさんからBさんに情報をお届けしまーす』って郵便屋さんみたいに運んでくれるのよ」
ニュートン:「おお!便利じゃないか!」
エジソン:「しかも、プログラムを書かなくていいんだ。ボタンをポチポチ押すだけで設定できる」
ニュートン:「プログラム?」
エジソン:「ああ、説明が難しかったな。つまり『難しい呪文を唱えなくても、誰でも使える』ってことだ」
ニュートン:「呪文...まあ、わかった」
道具2:Comet(コメット)- 「ちょっとドジな助手」
エジソン:「次はCometだ。これは『AIが勝手にパソコンを操作してくれる』道具」
ニュートン:「それ、さっき聞いた。でも間違えるんだろ?」
エジソン:「そうそう。だから植田さんは、こういう使い方をしてるんだ」
【植田さんの使い方】 1. Cometに「このサービスを解約して」ってお願いする 2. Cometが解約ページを探し始める(ここまではCometに任せる) 3. ちょっと変なページに行きそうになったら、人間が「ストップ!」って止めて、手作業で正しいページに移動 4. 正しいページに着いたら、また「続けて」ってCometに任せる
ニュートン:「なるほど!『全部任せる』んじゃなくて、『一緒に作業する』んだな」
キュリー夫人:「その通り!これを専門用語で『Human in the Loop(ヒューマン・イン・ザ・ループ)』って言うの。人間がループ(輪)の中に入って、AIと協力するっていう意味よ」
エジソン:「で、植田さんはこのCometがあまりにも便利だから、月3万円払ってまで使ってるんだぜ」
ニュートン:「さ、3万円!?そんな価値があるのか?」
エジソン:「あるんだよ。だって、今まで30分かかってた作業が5分で終わるんだから。月に何十時間も節約できるんだぜ」
道具3:Obsidian(オブシディアン)- 「第二の脳」
キュリー夫人:「次はObsidianよ。これは『メモアプリ』なんだけど、ただのメモアプリじゃないの」
ニュートン:「どう違うんだ?」
キュリー夫人:「普通のメモアプリは、『今日のメモ』『明日のメモ』って別々に保存されるでしょ?」
ニュートン:「うん」
キュリー夫人:「でも、Obsidianは違う。『今日のメモ』と『1年前のメモ』を自動で繋げてくれるのよ」
ニュートン:「繋げる?」
キュリー夫人:「例えば、あなたが『リンゴ』についてメモを書いたとするわね。それで1年後に、また『リンゴ』についてメモを書いたら、Obsidianが『あれ?1年前にもリンゴのこと書いてましたよ』って教えてくれるの」
ニュートン:「お、おお!それは便利だ!僕、よく同じこと何回も実験しちゃうんだよな...」
エジソン:「しかも、植田さんはこのObsidianに『Smart Connections(スマート・コネクションズ)』っていう機能を追加してるんだ」
ニュートン:「それは何だ?」
エジソン:「これがヤバい。『似てる内容のメモを自動で探してくれる』んだ」
ニュートン:「似てる?」
キュリー夫人:「例えば、『インタビューの依頼メールを書きたい』ってObsidianに言うと、過去に書いた依頼メールを全部探してきて、『これとこれが参考になりますよ』って教えてくれるの」
ニュートン:「すごい!!!それってつまり...」
エジソン:「そう、過去の自分が未来の自分を助けてくれるんだよ」
ニュートン:「タイムマシンみたいだな...」
【第3話】具体例:植田さんの「失敗と成功」を覗き見!

シーン:エジソンの工房(天国支部)
エジソン:「さあて、ここからが本番だ。植田さんが実際にどんな実験をしたのか、見てみようぜ」
ニュートン:(ワクワクしながら)「うん!」
キュリー夫人:「でもね、アイザック。植田さんは全部うまくいったわけじゃないのよ」
ニュートン:「え?失敗したの?」
エジソン:「おうよ!科学者なら誰だって失敗する。失敗しないヤツは、何もチャレンジしてないヤツだ」
実験1:「どのタスク管理ツールを使うべきか?」問題
キュリー夫人:「植田さんは、『Asana(アサナ)』っていうタスク管理ツールを使ってるんだけど、ちょっと不満があったの」
ニュートン:「どんな不満だ?」
キュリー夫人:「『かんばん機能』が弱いって」
ニュートン:「...かんばん?」
エジソン:「ああ、説明するぜ。かんばんってのは、『やること』『やってる』『終わった』っていう3つの列を作って、カードを左から右に動かしていく方式のことだ」
ニュートン:「ほうほう」
エジソン:「例えば、『リンゴの落下実験』っていうカードを『やること』の列に置くだろ?で、実験を始めたら『やってる』に移動。終わったら『終わった』に移動。視覚的でわかりやすいんだ」
ニュートン:「なるほど!わかりやすいな!」
キュリー夫人:「で、植田さんは『Asanaのかんばん機能が弱いから、Obsidianっていう別のツールに移行しようかな』って考えたの」
ニュートン:「で、移行したのか?」
エジソン:「いや、しなかった」
ニュートン:「え?なんで?」
エジソン:「理由は3つある」
理由1:「開発が止まるリスク」
キュリー夫人:「Obsidianのプラグイン(追加機能)は、個人の開発者が作ってるの」
ニュートン:「それの何が問題なんだ?」
キュリー夫人:「個人開発だから、その人が飽きたら、開発が止まっちゃうのよ」
ニュートン:「あ!それはマズイな!途中で使えなくなったら困る!」
理由2:「移行コストが高すぎる」
エジソン:「植田さんは、既に200個以上のインタビューファイルをAsanaで管理してるんだ」
ニュートン:「200個!」
エジソン:「それを全部Obsidianに移すとなると、めちゃくちゃ時間がかかる。しかも、移した後にObsidianが使いにくかったら最悪だろ?」
ニュートン:「確かに...リスクが高すぎるな」
理由3:「Asanaの新機能を発見!」
キュリー夫人:「そして、植田さんはAsanaの『AI Studio(AIスタジオ)』っていう新機能を発見したの」
ニュートン:「それは何だ?」
キュリー夫人:「これがすごいのよ。文字起こしされたファイルを添付すると、AIが自動で整形して、分析して、次にやるべきタスクまで提案してくれるの」
ニュートン:「なにそれ、めっちゃ便利じゃん!!!」
エジソン:「だろ?だから植田さんは『まあ、Asanaでいいか』って結論になったんだ」
【教訓タイム!】
キュリー夫人:「この実験から学べることは、『新しいツールに飛びつく前に、今使ってるツールを使い倒してみる』ことが大事ってことよ」
ニュートン:「確かに。僕もよく『新しい実験器具が欲しい!』って思うけど、今ある器具で工夫した方が早いもんな」
エジソン:「そうそう。『隣の芝生は青く見える』ってやつだ」
実験2:「月3万円払ってでもCometを使う価値はあるのか?」
ニュートン:「次の実験は何だ?」
エジソン:「これがヤバい。植田さん、月3万円も払ってCometを使ってるんだぜ」
ニュートン:「3万円!?た、高すぎる!」
キュリー夫人:「でもね、アイザック。植田さんはちゃんと計算してるのよ」
ニュートン:「計算?」
キュリー夫人:「Cometを使うと、今まで30分かかってた作業が5分で終わるの。つまり25分節約できるわね?」
ニュートン:「うん」
キュリー夫人:「で、植田さんは1日に平均3回くらいCometを使う。だから1日75分(25分×3回)節約できる」
エジソン:「1ヶ月だと、75分×30日=2,250分。つまり約37時間だ」
ニュートン:「37時間!丸一日半以上じゃないか!」
エジソン:「そう。月3万円で37時間買えるなら、めちゃくちゃ安いだろ?」
ニュートン:「な、なるほど...僕、最初『高い!』って思ったけど、実は安いのか!」
キュリー夫人:「これを『費用対効果』って言うのよ。お金だけ見るんじゃなくて、得られる価値も見ることが大事なの」
【でも、完璧じゃない】
エジソン:「ただし、植田さんも言ってる。Cometは完璧じゃないって」
ニュートン:「どういうこと?」
エジソン:「例えば、Cometに『スマホから写真をアップロードするWebアプリを作って』って頼んだら、結局うまくいかなかったんだってさ」
ニュートン:「え、そうなの?」
キュリー夫人:「そう。『Board not found(ボードがありません)』っていうエラーが出続けて、原因がわからなかったらしいわ」
ニュートン:「じゃあ、やっぱりダメじゃん!」
エジソン:「いや、違うんだよ、アイザック」
ニュートン:「違う?」
エジソン:「100%成功する道具なんて存在しないんだよ。80%成功すれば十分なんだ」
キュリー夫人:「そう。だから植田さんは、『Cometで簡単にできること』と『Cometでは無理なこと』を見極めて使い分けてるのよ」
実験3:「RAG(過去データ検索AI)はどれを使うべきか?」
ニュートン:「次の実験は...ラグ?だっけ?」
キュリー夫人:「そう、RAG。『Retrieval-Augmented Generation(リトリーバル・オーグメンテッド・ジェネレーション)』の略よ」
ニュートン:「長い!覚えられない!」
エジソン:「簡単に言うと、『AIが過去のデータから必要な情報を探し出して、それを元に答えを作る技術』だ」
ニュートン:「うーん...もうちょっとわかりやすく頼む」
キュリー夫人:「じゃあ、例え話をするわね」
🎓超わかりやすい「RAG」の説明
キュリー夫人:「アイザック、あなたが歴史のテストを受けるとするわね」
ニュートン:「うん」
キュリー夫人:「問題は『1666年にロンドンで起きた大火事について説明しなさい』」
ニュートン:「ああ、あの年は僕がペストを避けて田舎に引っ込んでた年だな」
キュリー夫人:「そうね。で、あなたには2つの選択肢があるの」
【選択肢A】:自分の記憶だけで答える - 速いけど、細かいことは忘れてるかも - 間違ってる可能性がある
【選択肢B】:教科書を見ながら答える - 時間はかかるけど、正確 - 教科書の情報を引用できる
キュリー夫人:「RAGっていうのは、選択肢Bのやり方なのよ。AIが『自分の記憶だけ』じゃなくて、『過去のデータ(教科書)を見ながら』答えを作るの」
ニュートン:「おお!わかりやすい!」
植田さんのRAG選び
エジソン:「で、植田さんは2つの道具で迷ってるんだ」
道具A:NotebookLM(ノートブックLM) - 良い点:RAGの性能がめちゃくちゃ高い。情報を正確に探し出せる - 悪い点:ファイルを手動で入れる必要がある。面倒くさい
道具B:Obsidian + Smart Connections - 良い点:自動でファイルが溜まる。Markdown形式で管理しやすい - 悪い点:RAGの性能は未知数。使ってみないとわからない
ニュートン:「うーん、難しい選択だな」
キュリー夫人:「だから植田さんは、こういう作戦にしたの」
【植田さんの作戦】 1. まずObsidian + Smart Connectionsを試してみる 2. 使ってみて、「これはイケる!」と思ったら、NotebookLMから移行する 3. 「やっぱりダメだ」と思ったら、NotebookLMを使い続ける
エジソン:「これを『段階的アプローチ』って言うんだ。いきなり全部変えるんじゃなくて、少しずつ試していくやり方だな」
ニュートン:「なるほど!実験と同じだ!いきなり大規模な実験をするんじゃなくて、小規模な実験から始めるんだな!」
キュリー夫人:「その通り!よく理解したわね、アイザック」
ニュートン:「ふふん!僕は天才だからな!」
【最終話】結論:AIは「魔法」じゃなくて「道具」。大事なのは「組み合わせ方」!

シーン:3人が集まる天国の会議室
ニュートン:「ふぅ...植田さんの実験、めちゃくちゃ勉強になったな」
エジソン:「だろ?で、アイザック。ここまで見てきて、何がわかった?」
ニュートン:「うーん...」
キュリー夫人:「じゃあ、私が整理するわね」
植田さんから学んだ「3つの大事なこと」
大事なこと1:完璧な道具なんて存在しない
エジソン:「いいか、アイザック。どんな道具にも長所と短所があるんだ」
ニュートン:「例えば?」
エジソン:「例えば、Cometは便利だけど、たまに間違える。NotebookLMは性能が高いけど、ファイルを入れるのが面倒。Zapierは簡単だけど、月額料金がかかる」
ニュートン:「確かに」
キュリー夫人:「だから、『完璧な道具』を探すんじゃなくて、『今ある道具をどう組み合わせるか』を考えることが大事なのよ」
ニュートン:「なるほど!カレーを作るときと同じだな。鍋と包丁とまな板を組み合わせて使う」
エジソン:「そうそう!」
大事なこと2:「時間」を大切にする
キュリー夫人:「植田さんは、『15分で作れるプチアプリが理想』って言ってたわね」
ニュートン:「なんで15分なんだ?」
エジソン:「それ以上時間をかけると、本業(本当にやるべき仕事)ができなくなるからだよ」
キュリー夫人:「そう。だから植田さんは、『時間対効果』を常に意識してるの」
ニュートン:「時間対効果?」
キュリー夫人:「例えば、こういう選択があったとするわね」
【選択A】:完璧なツールを3時間かけて作る - 3時間かかるけど、その後は完全自動
【選択B】:そこそこのツールを15分で作る - 15分で終わる。たまに手動で直す必要がある
エジソン:「植田さんは、選択Bを選ぶんだ」
ニュートン:「え?でも選択Aの方が、長い目で見たら得じゃないか?」
キュリー夫人:「違うのよ、アイザック。選択Aの『完璧なツール』は、実は完璧じゃないの」
ニュートン:「どういうこと?」
キュリー夫人:「3時間かけて作っても、実際に使ってみたら『あれ?思ってたのと違う...』ってことがよくあるの。そうなったら、また作り直し。結局6時間、9時間とかかっちゃう」
エジソン:「その点、15分で作ったツールなら、『ダメだったら捨てて、また15分で別のを作ればいい』って気軽に試せるんだ」
ニュートン:「おお!そういうことか!」
大事なこと3:「Human in the Loop」- AIと人間は協力する
キュリー夫人:「そして、最後に一番大事なことよ」
ニュートン:「何だ?」
キュリー夫人:「AIに全部任せるんじゃなくて、人間とAIが協力するのが一番いいってこと」
エジソン:「植田さんは、Cometに作業させるときも、横でずっと見てるだろ?」
ニュートン:「うん。『ちょっと違うよ』って修正してたな」
エジソン:「それが『Human in the Loop』だ。人間がループ(輪)の中に入って、AIと一緒に作業するんだ」
キュリー夫人:「これを図で表すと、こんな感じよ」
【全自動(ダメ)】 人間 → AIに指示 → (放置) → 失敗 【Human in the Loop(良い!)】 人間 → AIに指示 → 人間がチェック → 修正 → AIが続ける → 人間がチェック → 完成!
ニュートン:「なるほど!AIを『召使い』として使うんじゃなくて、『相棒』として使うんだな」
エジソン:「その通り!」
植田さんが最終的に選んだ「道具セット」
キュリー夫人:「じゃあ、植田さんが最終的に選んだ道具を整理するわね」
🛠️ 植田さんの道具箱
Zapier + Comet
- 用途:プチアプリを15分で作る
- 良い点:簡単、速い
- 悪い点:月額料金がかかる
Obsidian + Smart Connections
- 用途:メモを溜めて、過去のデータから学ぶ
- 良い点:自動でファイルが溜まる。Markdown形式で管理しやすい
- 悪い点:RAGの性能は未知数
NotebookLM
- 用途:深い分析が必要なとき
- 良い点:RAG性能が高い
- 悪い点:ファイルを手動で入れる必要がある
Claude / ChatGPT のプロジェクト機能
- 用途:定型業務を効率化
- 良い点:過去の成果物を保存して、どんどん性能が上がる
Gemini
- 用途:長い文章の整形
- 良い点:長い文章に強い
- 悪い点:たまにアホなことを言う
Whispr Flow
- 用途:音声入力でメモ
- 良い点:めちゃくちゃ速い
エジソン:「見てわかる通り、どれも『単体では完璧じゃない』んだ」
ニュートン:「でも、組み合わせることで、お互いの弱点を補ってるんだな」
キュリー夫人:「そう!これがまさに『ツールの組み合わせ』の力よ」
あなたも今日から始められる!「3つのアクション」
シーン:3人がお別れの挨拶
ニュートン:「さて、マリー、トーマス。そろそろ天国に帰る時間だな」
エジソン:「おう。でも最後に、読者の皆さんに『今日から始められること』を教えてやろうぜ」
キュリー夫人:「そうね。じゃあ、3つ紹介するわ」
アクション1:スマホの「ショートカット」アプリを開いてみる
エジソン:「iPhoneを持ってる人は、『ショートカット』っていうアプリが最初から入ってるんだ」
ニュートン:「それで何ができるんだ?」
エジソン:「例えば、『家に着いたら、家族に『帰ったよ』ってメッセージを自動で送る』とか、『朝7時になったら、今日の天気を教えてくれる』とか、そういうことができるんだ」
キュリー夫人:「NFCタグは100円ショップでも買えるわよ。『机に着いたらタップして、勉強開始時間を記録する』なんてこともできるわ」
【具体例】:先生ならこんな使い方ができる - 「職員室に着いたら、出勤時間を記録」 - 「実験室に着いたら、実験開始時間を記録」 - 「授業が終わったら、『お疲れ様でした』ってリマインダーを出す」
アクション2:Claude(無料版)で「プロジェクト」機能を試す
キュリー夫人:「ClaudeやChatGPTには、『プロジェクト』っていう機能があるの」
ニュートン:「それは何だ?」
キュリー夫人:「特定のテーマで、AIと何度も会話できる機能よ。しかも、過去の会話をAIが覚えてるの」
【具体例】:物理の先生ならこんな使い方
- 「力学の問題プリント作成」っていうプロジェクトを作る
- 過去に作ったプリントをアップロードする
- 「この問題をもっと難しくして」「この問題の図をわかりやすく書き直して」って言うと、AIが過去のプリントを参考にして作ってくれる
エジソン:「しかもだ、良いプリントができたら、それもプロジェクトに追加していくと、どんどんAIの性能が上がるんだぜ」
ニュートン:「すごい!まるで、AIが成長していくみたいだ!」
アクション3:Obsidianをダウンロードして、授業メモを溜める
キュリー夫人:「最後は、Obsidianよ。これは無料のメモアプリなの」
ニュートン:「普通のメモアプリと何が違うんだ?」
キュリー夫人:「Obsidianは、Markdown(マークダウン)形式でメモを保存するの」
ニュートン:「まーくだうん?」
エジソン:「ああ、説明するぜ。Markdown形式ってのは、シンプルなテキスト形式のことだ」
キュリー夫人:「例えば、# 見出しって書くと、自動で大きな文字になるの。**太字**って書くと、太字になる」
ニュートン:「へぇ」
キュリー夫人:「で、この形式の何がいいかっていうと、10年後でも読めるのよ」
ニュートン:「10年後?」
エジソン:「Wordとかのファイルは、10年経つとソフトが変わって開けなくなることがあるんだ。でも、Markdown形式はただのテキストファイルだから、絶対に開けるんだ」
キュリー夫人:「しかも、AIの出力もMarkdown形式が多いから、AIが作ったプリントをそのままObsidianに保存できるのよ」
【具体例】:5年後、10年後に便利 - 「あのとき、どうやって波動を教えたっけ?」って検索できる - 「この実験、前回はどうやったっけ?」って過去のメモが見つかる
エピローグ:天国に帰る3人

ニュートン:「ふぅ、今日は長い一日だったな」
エジソン:「でも、面白かっただろ?」
ニュートン:「ああ!2025年のAI、めちゃくちゃすごいな!」
キュリー夫人:「でもね、アイザック。覚えておいて」
ニュートン:「何を?」
キュリー夫人:「AIは魔法じゃないわ。あくまで道具よ」
エジソン:「そうさ。道具は使う人次第なんだ。植田さんみたいに、ちゃんと考えて使えば、すごく便利。でも、何も考えずに使ったら、時間の無駄になる」
ニュートン:「...わかった。僕も、ちゃんと考えて使うよ」
キュリー夫人:「それでいいのよ。じゃあ、帰りましょうか」
3人はタイムマシンに乗り込む
ニュートン:「あ、そうだ!一つ聞いていい?」
エジソン:「何だ?」
ニュートン:「植田さん、結局Cometの3万円プラン、継続するのかな?」
エジソン:「さあな。でも、『とりあえず1ヶ月試してみる』って言ってただろ?」
キュリー夫人:「そう。それが正しい科学者の態度よ。まず実験。それから判断」
ニュートン:「なるほど!じゃあ、僕も天国に帰ったら、早速AIを使ってみよう!」
エジソン:「天国にAIあるのかよ!」
ニュートン:「知らん!!」
3人:「あははははは!!!」
タイムマシンが光り、3人は天国へと帰っていった...
おまけ:用語集(中学生でもわかる!)
NFC(Near Field Communication) → 「近くで通信する技術」。スマホをカードにピッてかざすと、情報が送られる
Webhook(ウェブフック) → 「あるアプリから別のアプリに『今こんなことが起きたよ!』って知らせる仕組み」。ドミノ倒しの最初の一枚を倒すようなもの
RAG(Retrieval-Augmented Generation) → 「AIが過去のデータから情報を探して、それを元に答えを作る技術」。テスト中に教科書を見るようなもの
Human in the Loop → 「人間がAIの作業を横で見てて、時々『ちょっと違うよ』って教えてあげる方式」。AIと人間が協力する
Markdown(マークダウン)
→ 「シンプルなテキスト形式」。# 見出しとか**太字**って書くだけで、自動で整形される
プロジェクト機能 → 「AIと特定のテーマで何度も会話できる機能」。しかも、過去の会話をAIが覚えてる
かんばん → 「『やること』『やってる』『終わった』の3つの列を作って、カードを左から右に動かす方式」。視覚的でわかりやすい
最後に
このブログを読んでくれた先生へ。
AIは確かにすごいです。でも、「すごい」だけじゃ意味がありません。
大事なのは、「あなたの仕事が、どれだけ楽になるか」です。
植田さんは、月3万円払ってでもCometを使う価値があると判断しました。でも、あなたには別の道具が合うかもしれません。
だから、まず試してみてください。
そして、「これは使える!」と思ったら、使い続ける。 「うーん、イマイチだな」と思ったら、別のを試す。
それが科学者の態度です。
さあ、実験を始めましょう!
ニュートン、エジソン、キュリー夫人より