最近メモばかりでスミマセン。忙しくて・・・
そんな中!山口大学の大学院生の2人が論文を書いて国際学会で発表をしてくれました!フィール・フィジックスの(最近影が薄くなりつつある)物理教材についての論文です。
本当にありがとうございます!時間が取れたら2人の偉業を丁寧に解説させて頂きたいのですが、今回はほんの概要(論文要旨の引用)で許して下さい。
論文「VR教材HoloThrowにおける斜方投射運動の学習支援機能の設計・評価」

執筆
大城夏海(山口大M2)、植田達郎、中正和久(岩手県立大准教授)
導入
本研究では、投射運動の理解を支援するために設計されたバーチャルリアリティ(VR)教育アプリケーション「HoloThrow」に新たに開発された3つの機能を紹介する。
研究方法
追加された機能は、(1)運動の力学を把握しやすくするために速度ベクトルと加速度ベクトルを同時に表示するベクトル可視化機能、(2)複数の投射条件を視覚的に比較できる軌道比較機能、(3)VR初心者のためにステップごとに操作方法を案内するチュートリアル機能である。これらの機能の使いやすさを評価するために、7名の大学院生を対象にアンケート調査を実施した。
結果
参加者は、操作の簡便さ、視認性、学習支援効果において高く評価し、特にチュートリアル機能は初回利用時の不安を軽減する効果があり、加速度ベクトルの可視化は重力の影響理解に有用であると認識された。
考察
本論文ではこれらの機能の設計と実装について詳述し、評価結果に基づき、VRベースの物理教育における学習支援ツールの潜在的な利点について考察する。
論文「VR教材HoloAirで学ぶボイル・シャルルの法則」

執筆
濱岡俊希(山口大M2)、植田達郎、中正和久(岩手県立大准教授)
導入
日本の物理教育には「学力が高いにもかかわらず学習意欲が低い」というパラドックスがあります。これを背景に、本研究は熱力学のような抽象的な概念を学ぶ際の困難さに焦点を当てています。
研究方法
この課題に対応するために、気体の法則(特にボイルの法則、シャルルの法則、ゲイ・リュサックの法則)の概念理解を促進するVR技術活用型教育アプリケーション「HoloAir」を改良しました。改良されたHoloAirでは、学習者が圧力・体積・温度などの状態量をインタラクティブに操作し、それらの関係を探究できる環境を提供します。特に、抽象的な物理量と、物理的感覚(例:VR空間で天井が上下することで体積変化を表現)をともなう視覚的フィードバックを結びつける「教育的足場(スキャフォールディング)」を設計・実装しました。
結果
情報科学分野の大学院生7名を対象としたユーザビリティ評価の結果、天井の動きなど体感を伴う学習は、数値の変化のみで学ぶ場合と比べて、法則のより直感的な理解を大きく促進することが示されました。
考察
これらの結果は、VRを用いた身体的体験型学習が、抽象的な科学概念の理解を深めるのに有効であることを示唆しています。
この2人も小中学校から理科実験のレポートを書かされていたと思うのですが、今やこんな見事な論文を書いて、当時指導された先生の苦労(残業)も報われているのではないかと思います!(フィードバックがあればいいのにと本気で思います)
この研究成果にもっと注目が当たると良いのですが、もう少し時間がかかりそうです。5年後にはだいぶ状況は変わっていると思うのですが(ARグラスの普及と低価格化)。
念のためですが「物理教育の未来を創造する」フィール・フィジックスはいつかこのフィールドに戻ってきます!
本当は物理教育学会で発表してもらった方が良いと思うのですが、私が対応できていません。本当にごめんなさい。これらの研究についてご興味ある方は植田までご連絡ください!