![]() | 説明上手になる本―相手の頭にスンナリ入る 高嶌 幸広 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
先生(理科に限らず、中学にも限らず)や、その他の
「説明する」
仕事に就いている方にとって、この本はオススメです。推薦理由と内容は以下のとおりです。
この本の説明は、
- 説明の順序が考えられていて、
- 論理展開も追いやすく、
- チェックリストや図解が多く、
- たとえ話も豊富に出てくるため、
わかりやすいです(さすが説明の本ですね)。説明についての本を何冊か読みましたが、この本がいちばんわかりやすく実践しやすい気がします。
具体的な内容は、以下をご参照下さい。私が読みながら線を引いた箇所のまとめです。
- 聞き手の傾向
- 聞き手は自分の利害関係から物事を考える
- 聞き手は直接自分に関係ないことには興味を示さない
- 聞き手にあなたが関心をもつかぎり聞き手もあなたに関心をもつ
- 聞き手は聞き手のことを話題にすれば耳を傾ける
- 聞き手は集中力を長く持続させることができず、飽きやすい
- 聞き手の心はいつも揺れ動いている
- 聞き手は騒音などの外部環境に左右されやすい
- 序論
- 内容:説明の目的
- 時間配分:1割から2割
- ポイント
- 説明するテーマの背景や概要などを話し予備知識を与える
- 説明するテーマについての従来のものや他との比較、あるいは実例などを話す
- 説明の展開の順序を話す。特に、込み入った説明には威力を発揮する
- 本論
- 内容:目的とすることについて話を展開
- 時間配分:7割から8割5分
- ポイント
- 本論の冒頭で主題(もっとも言いたいこと・訴えたいこと)を話す方法がオススメ
- ズバリ主題に関係することだけを話すべし
- 本論の主題・中題・小題が明確になっていなければならない
- 主題が明確かどうか?
- 漢字かなまじりで、20字以内で表すことができているか
- 主題は「・・・である」「・・・しよう」などのように言い切れているか
- 優れた段落の条件
- (段落がいくつか集まって、中題を形づくる)
- 一つの考え方で統一されている
- どの文章もお互いに関連性をもっている
- 文章間の流れがスムーズである
- 事実・実例・データなどで裏づけされている
- 一つずつの文章が明確である
- 短すぎても長すぎてもいけない
- 数字の使い方
- 数字は基本的にはアバウトなものでよい。
- ポイントとなる数字は正確に覚えておく。
- 数字は比較するものがあると生きてくる。
- 有名なものを基準に比べると効果を増す。
- 数字だらけの説明はしない。適度にする。
- 明瞭な口調で、ゆっくりめに数字を言う。
- 大事な数字は二、三度、繰り返して言う。
- 話しの順序はこんな点に気をつける
- 時間の順序
- 空間の順序
- 重要さの順序(重要→非重要)
- 既知から未知への順序(聞き手がよく知っていることから話す)
- 因果関係の順序
- 一般から特殊への順序
- 結論
- 内容:話をまとめる+目的(序論)と結果(結論)を結びつける
- 時間配分:5分から1割
- ポイント
- 本論で展開された内容を要約し、できれば本論とは別の言葉で話す。そして、序論の目的と結びつける。
- 本論と他の事柄との関連を指摘し、今後の対応策や検討事項などを話し、問題意識を持ってもらう
- 本論のなかにまったく出てこなかった話題を持ち出してはならない
- ビデオでのチェックリスト
- 外見
- 体は相手にまっすぐ向けているか
- 余分な体の動作はないか
- 背筋を伸ばしているか
- 余分な手の動きはないか
- 明るい表情で話しているか
- 視線は相手に向けているか
- 髪形の乱れはないか
- きちんとした服装をしているか
- 発声
- 力強い声で話しているか
- 話す速度は適当か
- 聞き取れない言葉はないか
- ものの言い方がハッキリしているか
- 話の間はとれているか
- 変なアクセントやイントネーションはないか
- 気になる言葉ぐせはないか
- 内容
- 相手に合った説明になっているか
- 主題を明確に伝えられたか
- 説明の組み立てはうまくいったか
- 説明の展開は魅力的に映ったか
- 的確な比喩・たとえ話ができたか
- 視覚にうったえる説明ができたか
- 外見