先生って、覚えることが多すぎませんか。

授業の進度、行事、準備物、テスト範囲、休業日。そして「今日の実験、氷を使うのに、作り忘れた!」。理科の準備室で空っぽの冷凍庫を開けて青ざめる——そういう瞬間、きっと一度はありますよね。
全部を頭の中だけで抱えていると、だんだんこんがらがって、どこかで必ず取りこぼす。だからその「覚えておくこと」を、少しでも道具の側に逃がせないか。そう思って、理科専科の先生向けのアプリ「実験手帳」を作っています。
今日は、その開発中に僕自身がやらかしたヒヤリの話です。
入力したはずの日付が、空欄になっていた
休業日を入力する画面を仕上げていたときのこと。最終チェックで画面を開いたら、入力したはずの夏休み・春休みの開始日が空欄になっていました。

「え、消えた!?」
一瞬、頭が真っ白になりました。もしこれが本番で、先生方の大事なデータで起きていたら……と想像して、冷や汗が出ました。
実は、データは消えていなかった
落ち着いて中身を調べると、データ自体は消えていませんでした。
原因は、古いデータと新しい画面の「探す場所」のズレでした。
- 昔のデータは「休業の前日」だけを記録していた
- 新しい画面は「休業の開始日」を探していた
つまり、データはちゃんとあるのに、画面が別の場所を見に行っていたから「無い」ように見えていただけ。古いしくみからの移行では、ときどき起きる食い違いです。
「消えたように見せない」ところまでが、道具の仕事
原因が分かって、ホッとした——のも束の間、こう思いました。
「でもこれ、先生が見たら絶対に慌てるよな」
「入れたのに消えた?」「また全部やり直し?」。そう思わせてしまう時点で、道具としては失格です。動作としては小さなズレでも、使う人の安心を削ってしまう。
そこで、「前日の記録から、休業の始まりの日を復元する」直しを入れました。今は、
- 夏期休業 7月9日
- 春期休業 10月1日
と、入力済みの分はちゃんと表示されます。まだ入れていないものだけが空欄。入力済みと未入力が、ひと目で分かるようになりました。
予定がズレても準備がズレない。それだけじゃなく、「消えたように見えない」ことも道具の大事な仕事だと、あらためて思いました。
……まあ、この日いちばん慌てたのは、開発者の僕なんですけどね。氷だけは、すみません、先生ご自身で作ってください。
実験手帳は、複数クラスを見る理科専科の先生の「予定のやりくり」と「授業の記録」を軽くするために作っています。もしよかったらフォローして、小さな会社が先生の毎日を軽くする道具を作っていく過程を、これから一緒に見ていってください。