公立中学校教員の実感としては、「仕事量に比べて教員数が少なすぎる」というのが大半だと思います。
これに関連して、以下のような記事を見つけました。
「公務員が多すぎる!」か?
(@デザイン夜話6/26付)
のはてなブックマークでの反応を見るに、OECD国際比較によれば日本は人口1,000人当たり公務員数が極めて少ないことについての批判的立場としては、
- 公益法人などを含んでいないベースであり、これを入れればもっと多くなるはず
- 数は少なくても人件費が高いことが問題
- 提供する公的サービスが問題 というものがあるようです。
以下、順に検証してみたいと思います。
ちなみに公務員の3人に1人は教員です(たしか)。
◆人件費
"既述した5割高いという官民比較は明らかに過大評価だが、公務員1人当り人件費は官民賃金格差の国際比較の観点からみても、高いといえるのではなかろうか"
との鈴木ペーパーの結論は、そのとおりなのでしょう。
おー、そうなんですね。我々は恵まれているのか・・・ありがたや。その分がんばって仕事しなきゃな。
しかし、住宅手当とかはどうなんでしょう?例えば私は家賃10万円程度のアパートに住んでいますが、住宅手当は1万円もありません。大学の友人の民間の方々は少なくとも5万円はもらっているようですが。
でも反面、時折批判の矢面にも立つ共済などの恩恵はあるのでしょう。個人的には、公務員を相手に商売することは「安全」で、それは公務員が築いてきた「信 用」でもあるので、それがお金の形で公務員に返ってくるのは、ある種の態度に対する正当な経済的報酬だと思うのですが、どうなんでしょう。
◆効率性
腐敗の程度で見ることが考えられます。
腐敗が少なければすなわち生産性が高いと決まっているわけではないでしょうけれども、大いに腐敗しているようでは効率的なサービス提供が行われているはずもなく、腐敗が少ないことが生産性が高いことの必要条件ではありましょう。
腐敗の尺度とし て国際的NGOのTransparency InternationalによるCPI(Corruption Perceptions Index)の2007年版を用いた場合・・・
日本はG5諸国中3位と中位にあります(イギリス8.4、ドイツ7.8、日本7.5、フランス7.3、アメリカ 7.2)。
調査対象179ヶ国全体の順位では17位ということで、OECD加盟国の中でもほぼ中位となります。
明らかに「日本が先進国中で腐敗がひどく効率的な公的サービス提供が行われているとは思えない」というわけではないのです。
教員の世界は、一昔前まではけっこう腐敗していたみたいです。教材や修学旅行先を選ぶときです。
しかし採用5年目の私が、民間の友人たちの話と比較した限りでは・・・がんばって働いていますよ!自分で言うのも何ですが。土日も部活があったりして月100時間はサービス残業していますし。
◆教育現場を外れると・・・
ただし、以上の話はすべて「教育」分野の「現場」の話です。分野としては他にも土木、都市、福祉、産業などがあるでしょうし、教育であっても教育委員会などはわかりません。
さらに言えば、日本の(特に土木分野の)公共政策には強い「所得再配分」的な要素がある気がします。その辺が不効率性の原因を作っているかもしれませんが、だからといって「公務員を減らせば問題が解決する」わけではないことは明らかだと思います。
リンク: 公務員数等の国際比較 - BI@K accelerated: hatena annex, bewaad.com.