我々は皆、旅をしていますよね。旅には当然、始まりがあり、終わりがある。我々は生まれたときから旅を始め、そして死ぬときに旅は終わるわけです。
しかし、これで旅は終わりかというと、そうではない。あなたが生きているあいだ、様々な人と出会う。そして多かれ少なかれ、あなたは出会った相手に影響を与える。
あなたが死んでも、あなたの与えた影響のようなものは、他の人に受け継がれて、生き続ける。それは
- 信念のようなものかもしれないし、
- 知識かもしれないし、
- 単なるお笑いのネタかもしれません。
つまり、より高い視点から見れば、あなたが死んでも、旅は別の人たちに引き継がれて、終わらないのです。
では、旅の始まりはどうでしょうか。あなたの旅の始まりは、両親の出会いです。そして人は、だいたい3才くらいまでに、大まかな性格が形成されると言われています。その期間に、両親の価値観を受け継ぐわけです。両親だけではありません。
- 祖父、祖母もいるし、
- 親戚だっているし、
- 両親の友人たちもいるでしょう。
そういったたくさんの人たちから、いろいろなものを受け継いで、あなたの旅は始まったわけです。
そして、あなたは生きていくあいだに、様々な出会いを経験する。そこで相手から何かを受け取ったり、逆に相手に何かを与えたりするわけです。この「相手」とは、人だけとは限りません。
- あなたが本を読んで面白いと思ったとき、あなたはその本から何かを受け取っています。
- あなたが音楽を聴いて感動したと思ったとき、あなたはその音楽から何かを受け取っています。
逆にあなたが本を書いたり、音楽を作ったりすることもあるかもしれません。このように、あなたは生きていくあいだに、様々な出会いを経験し、受け継ぎ、与えていくわけです。
第1章をまとめましょうか。一見、あなたの人生には、始まりと終わりがあるように見える。でもあなたは、いろんな「想い」を受け継ぎ、それらは他の人たちに引き継がれる。その「想い」の「大河」のようなものは、あなたが生まれる前からあり、あなたが死んだあとも続いていく、ということです。