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ハリケーンを授業で

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ハリケーン「カトリーナ」が、アメリカのニューオリンズに巨大な被害をもたらした。損害は10兆円を超え、死者数についても数千人ということで、阪神淡路大震災と同じくらいの被害になる。先進国での自然災害としては(日本で言えば数十年に一度くらいの)「最大級の災害」と言っていいだろう。

自然災害を扱うのは理科である。理科教員としては、この自然災害について生徒たちに、なにがしかの事柄を伝えていかねばならない気がする。

伝えるべきことは、大まかに言って以下のようなことだろう:

  • 自然災害のメカニズム
    • ハリケーンおよびハリケーンが引き起こす高潮のメカニズム
    • これらが都市に被害をもたらすメカニズム
    • 実際の被害の大きさ
  • 自然災害に対する心がまえ
    • 来るものは仕方ない
    • 備えるべきこととは
    • 助け合いが重要

以下のページはよくまとめられている:

また、以下のページはハリケーン特集である。

だが、今回の核心は「貧困のおそろしさ」なのだろう。真に問題とすべきは、被害の大きさよりも、事後に略奪や衰弱死等の社会的二次災害が発生したことである。これらの事柄が社会に与える心理的後遺症は、計り知れない大きさであろう。だが、その背景は暗く深い。なぜなら実際には、弱者を切り捨てるほど、社会は重荷を下ろせる(例えば税金が安くなる)のである。貧困層に社会が与えるものは、希望か?絶望か?災害は我々に、社会のあり方を、そして人の生き方を問い直す。

が、これを授業で扱うのは難しいかもしれない。学校で貧困という問題を扱うのは、ちょっと考えればおわかりだろうが、かなりデリケートなことなのだ・・・