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変わる原子、消える原子

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「乱暴な話ですが、水の分子から水素原子をはぎとってしまうには、どうしたら良いでしょうか?」

水の分子を、分子模型を使って作らせてから、こう問いかけてみた。意見はノートに書かせる。先生は見て回って、面白い意見に目をつけ、後で発表させる。

先生側の予想としては「叩き割る」「熱する」「電気を流す」あたりが出てくると思っていたのだが、実際は違った。

「水の分子を熱すると、酸素原子が炭素原子に変わって、水素原子も酸素原子に変わって、二酸化炭素になる」

「水の分子を熱すると、水の分子の両脇についていた水素原子が蒸発して消えてしまう」

(あっ)と思った。

「原子が、別の種類の原子に変わることは、ない」「原子が消えたり現れたりすることは、ない」

これらは、原子の性質として、必ず習うことである。だが、ややもすると先生は、さっとこの部分を通り過ぎてしまう。先生にとっては常識だからである。

だがこれは、おそらく、まずい。予備知識のない生徒の考えの中では、原子が変わってしまったり消えてしまったりすることは、わりと自然なことなのである。だからこそ、ちゃんと原子の性質を教える必要があるのだ。

それにしても生徒たちは、なぜ上のようなことを考えるのだろう。生徒の頭の中でどんなことが考えられているのか、一度パカッと割って確かめられるといいのだが。さーて、どれどれ・・・ほうほう、君はあの子が好きなのか、でもあいつはすでに彼氏がいるんだぞ、残念だったなあ・・・って、これじゃただの冴えないオヤジじゃないか(嘆)